はじめに
忙しさに追われる毎日の中で、
「どう生きればいいんだろう」と
ふと立ち止まる瞬間はありませんか?
そんなとき、2500年前の古典『論語』が、
意外にも現代の私たちにそっと
寄り添ってくれます。
孔子の言葉には、
人としてのあり方や心の整え方、
迷いに向き合うヒントが詰まっています。
今回はその中から、
今を生きる私たちに役立つ9つの教えを
厳選してご紹介します。
少しだけ立ち止まって、
心に響く言葉に耳を傾けてみませんか?

生きざまに関する言葉
友遠方より来る
①子曰く、学びて時にこれを習う、亦た説ばしからずや。
朋あり、遠方より来たる、亦た楽しからずや。
人知らずしてうらみず、亦た君子ならずや。
②意味
・先生が言われた。
学んだことを時々復習すると、
学んだことがより深く理解できるので、
嬉しいことだ。
また、友だちが遠方から訪ねてくれるのも、
嬉しいことだ。
人が自分のことを分かってくれなくても、
気にすることはない。
それが立派な人物と言えるだろう。
③補足
・この文の中で人生の喜びとなることを
述べています。
それは、人の評価などは気にせず、
自分の信じたことを
自分の喜びにできるような生き方が大切だと
いうことです。
人の真価について
①子曰く、歳寒くして、
然る後に松柏の彫むに後ることを知る
②意味
・先生が言われた。
季節が変わって寒くなって、
他の草木が枯れてしまった後に、
松や柏だけが寒さにもめげず、
散ることなく緑の葉をつけたまま
立っているのが分かる。
人も平素は分からないが、
何かあったときにその人の本当の価値
というものが分かるものだ。
③補足
・厳しい寒さの中で、松や柏は季節の変化に
影響されずに立っている様子を称えたものです。
この様子を人にたとえて、生き方が立派なことと
考えられてきました。
つまり環境の変化にも生き方を変えない姿こそ
人として尊敬できるということです。
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十五歳で学問を
①子曰く、吾れ十有五にして学に志す。
三十にして立つ。四十にして惑わず。
五十にして天命を知る。六十にして耳順がう。
七十にして心の欲する所に従って、矩を踰えず。
②意味
・先生が言われた。
私は15歳で学問を志し、
30歳になると独立した立場を得た。
40歳になると迷うことがなくなり、
50歳になると天命を弁えるようになった。
60歳になると人の言うことを素直に聞くことが
できるようになり、
70歳になると思ったように行動しても、
道を外れることがなかった。
③補足
・孔子が晩年に人生を振り返った文として
有名です。
・ここから、
15歳を志学、30歳を而立、40歳を不惑、
50歳を知命、60歳を耳順、70歳を従心
というようになりました。
人間関係には信義が大切
①子曰く、人にして信なくば、
其の可なるを知らず。
大車貎なく、小車軏なくば、
其れ何を以て之を行らんや。
②意味
・先生が言われた。
人として信義がないならば、
上手くやっていくことはできない。
牛車に横木がなく、馬車につなぎ止めが
なかったら
牛馬をつなぎとめることができない、
一体どのように動かそうか。
③補足
・人間関係には信義が大切で、
それがなければ社会生活が成り立たない
と述べられています。
信用とか信頼は形として見えないので、
責任ある行動の積み重ねが必要になります。
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正義を通すには勇気が必要
①子曰く、その鬼に非ずして之を祭るは諂うなり、
儀を見て為さざるは勇なきなり。
②意味
・先生が言われた。
祭るべきではないものを祭るのは、
諂うことである。
本来行わなければならないことを
行わないのは、勇気がないということ。
③補足
・人が生きて行く上で、やってはいけないこと
やらなければいけないことが述べられています。
人にお世辞を言ったり、
媚びへつらう必要はありませんが、
困っている人がいれば見ないふりをしないで、
手を貸すことができる人が、
勇気のある人だということです。
他人のことはよくわかる
①子曰く、賢を見ては斉しからんことを思い、
不賢をみては内に自ら省みる。
②意味
・先生が言われた。
賢くて徳を積んだ人に出会うと、
自分もそのようになりたいと考えるのだが、
愚かで徳のない人の行為を見ると、
そうなってはいけないと自分のことを
反省するものだ。
③補足
・他人のことはよくわかるものです。
ことわざの
「人のふり見てわがふり直せ」
のように
他人事として見るのではなく、
常に自分を意識して他人をみることで、
自分が成長できるという思いが必要です。
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言行不一致
①子曰く、古者、言をこれ出ださざるは
身の逮ばざるを恥じてなり。
②意味
・先生が言われた。
昔の人が言葉を軽率に
口にしなかったのは、
実践できないうちに、口に出すのは
恥ずかしいと考えていたから。
③補足
・まさに「不言実行」ということです。
孔子が実践する前に軽々と口に出してしまう人を
戒める一文です。
謙虚な気持ちが大事
①曽子曰く、吾日に三つ吾が身を省みる。
人の為に謀りて忠ならざるか、
朋友と交わりて信ならざるか。
伝えられて習わざるか。
②意味
・曽子※が言った。
私は一日に三つのことを、反省している。
真心を尽くしているだろうか。
信義を守っているだろうか。
知ったかぶりをしてないか。
の三つです。
③補足
・1日の終わりに自分の行いを反省するのは、
難しいことです。
反省もしないで同じ過ちを繰り返しがちですが、
反省することで謙虚な気持ちになります。
反省して問題点を改め、更なるステップアップを
目指したいものです。
※曽子
孔子の主要な弟子の一人。
親孝行で知られ、「大学」「曽子」の
著者とされています。
韓を建国した。
面白いほどよくわかる論語より引用
見極める
①子曰く、賢者は世を避く。
其の次は地を避く。次には色を避き。
次に言を避く。
②意味
・先生が言われた。
賢者というものは世の中が乱れたときに、
隠れてしまうものだ。
次にはその土地を去る。
その次には主君の顔色を見て去って行く。
その次には主君の悪い言葉を避けるものだ。
③補足
・賢者とは政治や経済の動きを敏感に読み、
常に自分の処し方を柔軟に対応できる人です。
「君子危うきに近寄らず」が
同じような意味になります。

おわりに
『論語』は時代を越えて、
今を生きる私たちの心にも静かに届きます。
完璧でなくていい。
迷いながらでも、
自分なりの歩みを大切にすればいい。
そんなふうに背中を押してくれるのが、
孔子の教えなのかもしれません。
今日のあなたに響いた言葉が、
これからの生き方の
小さな道しるべになりますように。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
参考書籍:面白いほどよくわかる論語
石田琢智著
発行所:株式会社日本文芸社


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