はじめに
日本には、
季節や自然の移ろいとともに歩んできた
暦の文化があります。
*新暦と旧暦。
*季節の節目を知らせる二十四節気や雑節。
*年中行事に彩りを添える五節句。
これらはすべて、私たちの暮らしに寄り添い、
季節の変化を感じる手がかりと
なってきました。
本記事では、
そんな日本の暦文化を紐解きながら、
現代の生活にも活かせる知恵を
探っていきます。

旧暦と新暦
現在日本で使われている暦は、
太陽暦(グレゴリオ暦)という太陽の運行を
基準にした暦で、新暦と呼ばれています。
日本が今の暦を使うようになったのは、
1873年です。
それ以前は古代中国の農暦をもとに、
日本の風土に合わせた暦(旧暦)を
使っていました。
この旧暦は「月の運行」を基準にした暦で
1000年以上にわたり
日本の『公的カレンダー』として
使われてきました。
ニュースなどで「暦の上では○○」という
言葉を聞くことがありますが、
この暦が旧暦です。
旧暦
月の満ち欠け周期(29.5日)を基準に
①1ヶ月を29日もしくは30日と定め
1年を12ヶ月にしました。
30×6=180日
29×6=164日
1年は180+164=354日になります。
②地球が太陽の周りを回る日数は
約365.25日
③365.25-354≒11日
実際より約11日少ない。
④旧暦では11日少ない分を解消するため
「閏月」という13番目の月を
19年で7回設けました。
旧暦と新暦を比べると新暦は約1ヶ月遅くなり、
旧暦で行っていた行事を新暦に置き換えると、
季節感にズレ※が生じることがあります。
※季節感にズレ
月遅れと言って、
お盆の例があります。
お盆は旧暦の7月13日~16日あたりですが、
そのまま新暦に置き換えずに、
8月13日~16日あたりに行っています。
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二十四節気
太陽暦の1年を24等分して
季節をとらえたものを二十四節気と呼び、
旧暦の時代でも使われ、
中国から伝えられました。
二十四節気は、1年を
①「冬至、夏至、春分、秋分」で4等分。
②その真ん中に四立
「立春、立夏、立秋、立冬」を定める。
これを「八節」と呼びます。
期間は360÷8=45日ずつになります。
③さらに3分割したものが二十四節気。
一つの節気は45÷3=15日になります。
この二十四節気には、
「太陽の様子、気候、四季の風景」
にちなんだ名前がつけられています。
日本は四季の区別があるので、
古くから親しまれています。
ただ、中国との気候の差から、
季節感がずれるところもあるので、
日本独自に農作業の目安になる
「雑節」を加えて使ってきました。
二十四節気一覧
| 月 | 節気 | 時期 | 意味 |
| 1月 | 小寒 | 1月6日頃 | 本格的に寒さが厳しくなる時期 |
| 1月 | 大寒 | 1月21日頃 | 1年で最も寒い頃 |
| 2月 | 立春 | 2月4日頃 | 春の気配を感じられる頃 |
| 2月 | 雨水 | 2月19日頃 | 雪から雨に、氷が水に変わる頃 |
| 3月 | 啓蟄 | 3月5日頃 | 虫たちが動きだす頃 |
| 3月 | 春分 | 3月20日頃 | 春の訪れが本格化する頃 |
| 4月 | 清明 | 4月4日頃 | 大地が緑豊かに活気あふれる頃 |
| 4月 | 穀雨 | 4月20日頃 | 春の雨が穀物を潤す頃 |
| 5月 | 立夏 | 5月5日頃 | 夏の訪れを告げる頃 |
| 5月 | 小満 | 5月21日頃 | 万物が成長して麦畑が黄緑色に色づきだす頃 |
| 6月 | 芒種 | 6月5日頃 | 蛍が飛び交い、田植えを始める頃 |
| 6月 | 夏至 | 6月21日頃 | 1年中で最も昼間が長くなる日 |
| 7月 | 小暑 | 7月7日頃 | 梅雨が明けて蓮の花が咲き始める頃 |
| 7月 | 大暑 | 7月22日頃 | 暑さが最も厳しい頃 |
| 8月 | 立秋 | 8月7日頃 | ヒグラシが鳴き始め夏の終わりを告げる頃 |
| 8月 | 処暑 | 8月23日頃 | 暑さが峠を越して涼風が吹き始める頃 |
| 9月 | 白露 | 9月7日頃 | 秋の野に白露が下りる頃 |
| 9月 | 秋分 | 9月23日頃 | 本格的な秋の訪れを告げる頃 |
| 10月 | 寒露 | 10月8日頃 | 野草に宿る露が霜に変わり秋深まる頃 |
| 10月 | 霜降 | 10月23日頃 | 初霜が降りて秋の終わりが近づく頃 |
| 11月 | 立冬 | 11月7日頃 | 木枯らしが吹き、冬の寒さが始まる頃 |
| 11月 | 小雪 | 11月22日頃 | 北国から初雪の知らせが届き始める頃 |
| 12月 | 大雪 | 12月7日頃 | 雪が降りやがて大雪になる頃 |
| 12月 | 冬至 | 12月21頃 | 一年で昼間が最も短い日 |
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雑節
二十四節気のほかに旧暦では、
1年間の季節の推移を把握するために、
補助的な意味から特別な日として
「雑節」が設けられています。
雑節は特に農事に関わる習わしが
多いのが特徴で、
古くから庶民の日々の生活の中に
溶け込んで、伝統行事として定着しています。
雑節一覧
| 雑節 | 時期 |
| 節分 | 立春の前日(2月3日頃) |
| 彼岸 | 春分の前後7日間 |
| 土用 | 4月17日頃の約18日間 |
| 八十八夜 | 立春から88日目(5月1日頃) |
| 入梅 | 立春から135日目(6月11日頃) |
| 半夏生 | 夏至から11日目(7月1日頃) |
| 土用 | 立春、立夏、立秋、立冬の前各18日間 |
| 二百十日 | 立春から210目(9月1日頃) |
| 彼岸 | 秋分の前後7日間 |
| 二百二十日 | 立春から220目(9月11日頃) |

五節句
「節」とは、季節が変わる節目で
「節日(節句)」といい
昔から二十四節気などとは別に、
祝祭の日とされてきました。
元来、節句の行事は、
ほとんど中国から伝わった習わしですが、
日本古来の年中行事と結びついて
長く継承されています。
節句の中でも、
人日、上巳、端午、七夕、重陽は
五節句と呼ばれ、
江戸時代には公的な行事・祝日として
定められています。
五節句は元来、
季節の節目を知るための目安でしたが、
新暦を利用している現代でも、
同じ日付けで定められているので、
実際の季節とは1ヶ月ほどの
違いがあって、
時期が合わなくなることがあります。

五節句一覧
| 月 | 節句 | 日にち |
| 1月 | 人日 | 1月7日 |
| 3月 | 上巳 | 3月3日 |
| 5月 | 端午 | 5月5日 |
| 7月 | 七夕 | 7月7日 |
| 9月 | 重陽 | 9月9日 |
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おわりに
暦は、単なる日付の羅列ではなく、
自然と人間の関係を映し出す鏡です。
新暦・旧暦の違いや、
二十四節気・雑節・五節句といった
節目を知ることで、
私たちは季節の変化をより深く味わい、
日々の暮らしに新たな視点を
持つことができます。
現代の生活にこそ、
こうした暦の知恵を取り入れる
ことが必要ではないでしょうか。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
参考書籍:
①株式会社飛鳥新社発行
本間美加著
日本の365日を愛おしむ
「季節を感じる暮らしの暦」
②株式会社飛鳥新社発行
白井明夫著
暮らしのならわし十二か月


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