はじめに
二十四節気の一つ「立春」は、
季節の変わり目の「節分」の翌日、
毎年2月4日頃にあたります。
2026年の立春は2月4日(水)
立春を迎えると、暦の上では「大寒」が明けて、
厳しい寒さも徐々に和らぎ、春を感じさせる頃です。
しかし、
暦の上で春といっても、
実際にはまだまだ寒い時期です。
この記事を読んで頂き、
気持ちの上では「春」を感じてください。

立春とは
立春は節目の基準
立春は二十四節気の最初の節気で、
この日から「暦の上では春」になります。
旧暦の1月1日は立春の前後になりますが、
特に旧暦の元日と重なることを
「朔旦立春」と呼び
縁起がいいとされています。
古代中国では「立春正月」という
立春を正月とする慣習がありました。
旧暦では立春が1年の初めの日として、
農作業の節目や「暦(雑節)の基準」※になっています。
*立春が基準の雑節
| 雑節 | 基準 | 時期 |
| 八十八夜 | 立春から数えて88日目 | 5月1日頃 |
| 入梅 | 立春から数えて135日目 | 6月11日頃 |
| 二百十日 | 立春から数えて210日目 | 9月1日頃 |
| 二百二十日 | 立春から数えて220日目 | 9月11日頃 |
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立春の習わし
立春大吉
「立春大吉」と縦に書いた紙が
玄関や柱に貼られているのを見かけます。
これは1年を無事に過ごすための
おまじないで「曹洞宗の開祖・道元」が
伝えたとされています。
立春大吉は左右対称に書かれているので、
バランスや安定に通じる縁起を
担いでいるからです。
立春大吉を掲げた家に鬼が入り
振り返ったところ、
裏から見ても「立春大吉」と見えたので、
「まだ家に入っていない」と勘違いをし、
逆戻りして出て行った。
という逸話があります。

新年立春・年内立春
旧暦の1月1日は月の運行で決まるので、
年によっては立春の日にちと前後します。
旧暦の月日は月の満ち欠けによって
決まりますが、
立春をはじめ二十四節気は
太陽の運行に従っているため
このようなズレがあります。
*年内立春*
・旧暦の元日が、
立春を過ぎてから訪れる年は、
立春の時点ではまだ前年の
12月になります。
これを「年内立春」といいます。
*新年立春*
・旧暦の元日を過ぎてから立春が
訪れることを「新年立春」といいます。
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節切りの暦
「節切りの暦」は聞きなれない言葉ですが、
二十四節気の節気をもとに1年を12ヶ月に
分ける暦のことです。
二十四節気の一つの節気は約15日なので、
二つで30日、1ヶ月になります。
例えば、
立春と次の節気の雨水で30日。
その次の節気の啓蟄と春分で30日。
となります。
節切りの暦は、
太陽が1年をめぐるリズムに従い、
日本の四季に沿って移り変わるので、
農作業などの暦として親しまれていました。
これに対して、月の満ち欠けによって、
ひと月を区切る暦を月区切りの暦
といいます。

立春の三つの候
立春は毎年2月4日頃ですが、
次の二十四節気の雨水までの
15日間を表す場合があります。
15日を5日ずつ
初候(しょこう)
次候(じこう)
末候(まっこう))
の三つに分け、
それぞれの頃の自然界の色々な
営みを言葉で表します。
*立春の初侯
時期:2月4日~2月8日頃
この時期の言葉:
東風解氷
(はるかぜこおりをとく)
意味:
・春の風が川や湖の氷を
解かし始める頃。
「東風(こち)」とは
春風を表す代名詞。
・2月最初の午の日が
「初午」です。

*立春の次候
時期:2月9日~2月13日頃
この時期の言葉:
黄鴬眼睆
(こうおうけんかんす)
意味:
・山里で鴬が鳴き始める頃。
春の訪れを告げる鴬は
「春告鳥(はるつげどり)」
とも呼ばれています。
・2月11日は「建国記念の日」です。

*立春の末候
時期:2月14日~2月18日頃
この時期の言葉:
魚上氷
(うおこおりをいずる)
意味:
・水がぬるみ、割れた氷の間から
魚が飛び跳ねる頃。
春先の氷を「薄氷(うすごおり)」
と呼びます。
・夜空には冬の大三角が見えます。

立春で知っておきたいこと
春一番
立春後に初めて吹く南寄りの風を
「春一番」と呼んでいます。
条件があるため、それが整わず
春一番が吹かなかったこともあります。
気象庁の春一番定義
①立春から春分の間であること
②日本海に低気圧があること
③南寄りの風で風速8メートル以上あり、
風向きが東南東から西南西であること
④気温が上昇すること
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余寒見舞い
立春になると寒が明け、2月の寒さは
「季節が春になってもまだ残る余寒」
とされます。
また「春寒」「春浅し」ともいわれています。
同じ寒さでも、余寒と聞くと、
寒さも長くないという気になります。
そんな寒い頃に相手を気遣って出す
立春から2月末までです挨拶状を
「余寒見舞い」といいます。

福茶
福茶は現在では元日に飲まれていますが、
もともとは「立春の朝汲んだ水(若水)」で
淹れて飲む立春の習わしでした。
かつては宮中で水の調達などを行う
「主水司会」が立春に天皇に奉じた水を
若水といっていました。
それが時代とともに、
人々が元日に汲む水を若水といって、
その水で福茶を淹れるようになりました。

おわりに
立春は、暦の上で春の始まりを告げる
大切な節目です。
三つの候に込められた自然の移ろいや、
昔から受け継がれてきた習わしには、
季節を感じながら暮らす知恵が
詰まっています。
忙しい日々の中でも、ふと立ち止まって
空気の変化や草木の芽吹きに
目を向けてみると、
春の訪れをより深く
味わえるかもしれません。
今年の立春は、
そんな小さな季節の気配に
耳を澄ませてみませんか。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
参考書籍:
株式会社講談社発行
岩下宣子著
日本人なら知っておきたいしきたり大全
株式会社飛鳥新社
白井明夫著
暮らしのならわし十二か月


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